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Vol.36 エリザベスカラー その1

皆さんエリザベスカラー(略してエリカラ)をご存知でしょうか?
ケガをしたときや手術をしたときに傷口を舐めさせないように首の周りに巻くものです。
長く犬猫を飼っている方は一度や二度は付けた経験があるのではないでしょうか?
このエリザベスカラー嫌われ者ですよね?

エリカラを装着された犬猫の中には気にして動けなくなったり、極端に嫌がってはずそうと努力を繰り返す子がいます。こういう子の場合は確かにかわいそうな気がします。

また当院の場合は透明のエリカラを使っているためか、まったく気にしない子も多いですが、そういう子はエリカラが何かに引っかかってもそのまま進むことが多いため、引っかかった物を倒して壊したり、エリカラがヒトの足にあたって痛かったりしてこれはこれで困ります。

インターネットで見ているとエリカラは本当に嫌われていて、使わない動物病院を探していたり、なかにはエリカラを使う獣医は腕が悪いとまで書かれているのが現状のようです。

確かにエリカラをつけなくても手術創がきれいに治りさえすれば良いことですし、大概は少々傷を舐めてもきれいに治る場合がほとんどだと私も考えています。

しかしそうは思っていますが、当院は不妊手術を含め手術のときは基本的にエリカラ装着派です。
ただ頑固に押し付けるつもりもありません。相談されれば「おうちに帰ってから様子を見ながらはずしてください。」とお話しています。いざ気にして手術創を舐め始めた場合にすぐ装着できますからね。
また傷口をカバーできる洋服などを着せるのも、その犬猫が慣れていれば良い方法です。

私がエリカラを使っているのにはもちろん理由があります。
さきほどエリカラなしでもほとんどはきれいに治ると言いましたが、そううまくは行かないケースも確実に存在するからです。
舐めることにより手術創が化膿してしまうケース、犬猫自身が糸を抜いてしまうケース、他にもいろいろ想定できます。
今回はここまでにしておいて、うまくいかないケースについての詳しいことは次回にお話することにしましょう。