Home 当院のご紹介 院内設備 場所と診療時間 お問い合わせ

Stuff 「院長のコラム(2005年)」

Vol.1  平成17年2月27日
このたびついにホームページを開設することになりました。
それに伴いどういったホームページを作るか非常に悩み考えました。
今現在ネット上にはたくさんの動物病院のホームページがあります。
しかし、どこか画一的で似通った感じになっているとは思いませんか?
そこで私は考えました。皆さんがこのホームページを見るとき知りたいことは何か?

病院の設備内容などは当然必要として、もう一歩踏み込んだ何か・・・。
病気のこと?飼い方のこと?それは当然なんですが・・・今や他のホームページをはじめネット上や書籍などですばらしい情報があふれかえっています。(かなり怪しいものもありますが・・・)
そこでたどり着いた結論は、もっと我々スタッフのことを知ってもらおうということです。

そこでスタッフ各人に独立したページを持たせることにしました。
そこでは話題の病気についてふれることもあるでしょうし、趣味について語るも自由です。
そうしてスタッフ各々の人柄を知っていただくのが目的です。

どんな仕事もそうだと思いますが動物病院での診療も基本は人と人とのコミュニケーションです。
スタッフの人柄を知ってもらうことがよりよい診療につながるものと信じます。
また・・・こうする事によってホームページの更新をスタッフに押し付ける・・・いや協力してもらうことで、私も少し楽がができるかななどと・・・。
▲ページトップへ

Vol.2 インフォームドコンセント 平成17年2月27日

 今回からは少しづつ当院の診療スタンスについてお話していきたいと思います。

インフォームドコンセントという言葉をご存知でしょうか?
人の医療の領域ばかりか獣医療でもすでに常識化した言葉なので知っている方も多いと思います。
70年代後半のアメリカで合衆国大統領委員会が提唱したものがその始まりです。

インフォームドコンセントは直訳すれば「説明のうえでの同意」となりますが、訳語はあまり定着していません。
その内容はというと、わりとはっきりしていないのが実状ではないでしょうか。
一般的なイメージで言うと「病気や治療法、予後などを丁寧に説明する」ここまでは双方にとって同様でしょう。
ここから先に医師と患者の間で少しズレが出てくるような気がします。
医師の側から言うと「その後納得してもらう」、患者の側から言うと「その後説明になかった事態は起こりえない」といったところでしょうか。
どちらかというと責任を押し付けあうようなイメージでよくありません。

私の考えるインフォームドコンセントとは双方がよく話し合い、お互いを理解し、信頼関係をより緊密にするということです。
飼主さんが獣医師を信頼するだけでは半分です。
獣医師は飼主さんの価値観、人生観、実情、希望などをよく理解し、その技術や設備の範囲内で提示できる治療法を「考え続ける」ことが重要です。
そしてそれ以上のことには大学病院と連携をとり、高度医療に対応していかなければなりません。

また飼主さんはそういった自分の考えをよく獣医師に「説明する」ことが重要です。
「双方の説明による合意」、これこそがインフォームドコンセントです。

そしてもうひとつ、双方一緒になって病気の子のことを考えていきましょう。

▲ページトップへ

Vol.3 インフォームドコンセント2 平成17年3月1日
今回は獣医師にとってインフォームドコンセントがいかに難しいかをお話しましょう。

一般的にインフォームドコンセントが重要性を増す場合は重病や難病の症例に多くなります。
インフォームドコンセントを行うためには、何が原因でどういった病状なのかがはっきりするのがベストです。
しかし、この重病や難病を「確定診断」することがかなり難しいのです。

また、今の獣医学は日進月歩です。
数年前の常識がすでに通用しなくなったり、今まで使っていた薬にも新しい使い方や効能が発表されたりします。
またひとつの病気に対しても先生によりいろいろな見解があったりして、文献によって見解が違ったりもします。
ですから獣医師は常に自分の知らないことがたくさんあるのではと恐れを抱いています。
また自分と違った見解や意見があることもよく承知しています。

しかし自分はどの文献の見解に沿って診断し、治療を進めていくかを決定しなければなりません。
その決定の裏側で、違う文献の見解のほうがこの症例では効果が高いのでは・・・などと懲りずに迷っています。
個体差などもありますから。

実際に当院ではよく調べたうえで説明した後でも、さらに文献を探しなおしての症例検討会が自主的にいつの間にか始まっていることが多いです。

次回は実際の診断法についてお話しましょう。
▲ページトップへ

Vol.4 診断の難しさ 平成17年3月7日
私は診断とは消去法だと考えています。

あるひとつの症状があるとします。その症状から考えられる病気がいくつか自分の中で浮かんできます。
そしてその浮かんだいくつかの病気を各種検査により絞り込んでいきます。

検査にはその結果が出ればこの病気という様な疾病特有の検査も存在しますが、そうでない検査も多々あります。
つまり検査によって、「この病気ではないな」と調べていくのです。

下痢の症例を例に挙げて説明します。
下痢の症状で来院されると、まず欠かすことなく行われる検査に検便があります。
その便の中に下痢を起こさせる寄生虫、例えば回虫が検出されたとします。
その下痢は回虫症と診断され、それに対する薬が処方されます。しかしそれで一件落着と考える獣医師は当院にはいません。

では獣医師は何を考えているのでしょうか?
それは「発見できなかった他の種類の寄生虫が存在しないか?」、「寄生虫以外の疾患が存在していないか?」ということです。

今回行った検便で分かったことは回虫が寄生しているということだけです。
他の寄生虫は発見されなかったというだけで、あくまでも存在しない証明がなされたわけではないのです。
つまり今回の治療で回虫症が消去され、もし下痢が治らなかった場合は回虫症以外の可能性を考えていく必要があるわけです。

獣医師は勉強すればするほど、この下痢という症状に対して浮かんでくる病気が増えていきます。
そして回虫症という診断に迷いが出てきますので、回虫症と「仮診断」しての治療と考えるようになっていくのです。

もしかすると、うちの病院はパシッと診断名を言ってくれない優柔不断なイメージで受け取られているかもしれません・・・。
でも、本当に難しいんですよ? 自信を持って一つだけに絞り込むというのは・・・。
▲ページトップへ

Vol.5 動物病院の選び方 平成17年3月15日
動物病院を選ぶとき皆さんは何を基準にしているでしょうか?

評判がいいこと、腕がいいこと、設備がすごい!こんなところでしょうか(うちもこうありたい・・・)。
自宅から近いこと、消極的な感じがしますがこれは重要です。
いざ緊急というときには家から近いほうがいいですし、その駆け込む病院が普段のその子の状態を知っているのと知らないのではかなり差が出ます。

あともう一つ、かなり重要だと私が考えることがあります。
それは飼主さんと獣医師との相性でしょうか。
お互いに人間ですから、その人により話しやすいとか相談しやすい獣医師は違っても当然です。
また考え方や人生観、価値観、道徳観、いろいろと近いほうがいいでしょう。
その辺は他人のお勧めだけでは分からないところだと思います。

老婆心ながら言わせてもらうと、時々損をしている飼主さんがいるように思います。それはすぐに転院を繰り返す飼主さんです。当院に来られた患者さんの中にももちろん稀におられます。

前回の回虫症を例にとってお話しするとこうなります。
回虫症と診断されて治療を受けながら、下痢が治らなかった場合にあそこの病院はヤブだと考える方が稀にいます。
他の病院に行って事の顛末を説明し、治療を受け、治ったらこっちの病院のほうがいいという評価になります。
しかし実際は、後の病院は回虫症を除いた次の段階の治療をしたに過ぎなかったりします。
「何でこんなことが分からなかったのか」などと後の先生が言ったなどとしたら決定的です。

どこかで「後医は名医なり」という言葉があると聞いたことがあります。
結果が吉と出ても凶と出ても、後医は名医になりやすいものです。
獣医師はそれを踏まえ、公正な立場で発言する必要があるのです。その時の状況は見てもいないのですから。
(とんでもない誤診であったりした場合もあるかもしれませんが・・・。)
▲ページトップへ

Vol.6 ノラ猫の診療 平成17年3月23日
今回はノラ猫の診療についてお話したいと思います。

最近、当院ではノラ猫の診察をしていないといううわさがあることを偶然耳にしました。

実際は普通に診察しています。
確かに暴れまわったりするケースも多いので、飼い猫の様に細かく診察してあげられないことも多いです。
また来院された時、すでに興奮した状態のときなどはキャリー等の中から出せないときもあります。
しかし門前払いで断るようなことはありません。

だだ入院はさせてあげられません。お断りすることになってしまいます。
このことが人と人との間を伝わるうちに、伝言ゲームのように間違ったうわさとして伝わってしまったようです。

ノラ猫を入院させてあげられないのには理由があります。
当院では入院に際して適切なワクチン接種を受けていることが必要になります。
ノラ猫の場合ワクチン接種を受けていることはまずありません。
また残念なことに、すでにウイルスに感染していることが多いです。
こうしたノラ猫を入院させた場合、同時に入院している猫はたとえワクチン接種を受けていたとしてもウイルスに感染してしまう可能性があります。

ノラ猫の入院を断ると、冷たい病院とか優しくない先生だという印象を与えてしまうかもしれません。
しかしそれは苦渋の選択であり、ウイルス感染していない飼い猫に対する優しさでもあるのです。

ノラ猫を完全に隔離して入院させてあげられるような大きな病院であればよいのですが・・・、今のところは夢です。
▲ページトップへ

Vol.7 今、病院は混んでますか? 平成17年4月7日
「今、病院は混んでますか?」
たまに受ける電話での質問です。

これにお答えするのが実に難しい。
しかしその気持ちはよく分かりますし、私も床屋さん等に行くときは同じ気持ちです。
ですから真剣に答えます。
「今はすいています。」とか「今は混んでいます。」

この「今は」というのがポイントです。
当院は予約制ではありませんので、基本的には来院された順番で診察していきます。
そうすると混んでいる時間と空いている時間がはっきり分かれたりすることもあります。

なぜか1時間くらい暇にしていたあとに急に混み合うことも多いです。
わずか数分の間に4~5人の方が受付されることもあり、どこかで皆さん待ち合わせをしてから来られてるんですか?といった具合です。

そうなると最後に受付した方は1時間近く待つことになったりします。
もう数分早く来ていたら・・・もう後の祭りです、天国と地獄です・・・ちょっと大げさに言いすぎか?

きっと人間の生活パターン、つまり朝起きてご飯を食べてそれから一息ついて出かけるといった時間の流れが似ているからなんでしょうね。
そこを逆算して来院されると空いているかもしれません。後は運です。
▲ページトップへ

Vol.8 獣医のプライド? 平成17年4月9日
獣医さんの一般的なイメージとはどの様なものでしょうか。
「動物に優しくてどんな動物であっても体当たりで治療していく情熱家」
私が子供のころ持っていたイメージです。
少し大げさな感じもしますが良い獣医さんとはこんな感じだと今でも思います。

しかし獣医であっても動物に咬まれるのは怖いです。
プロ意識を持ってからは仕事が続けられなくなるという意味で怖いです。
また扱いなれない野生動物などは単純に怖いです。
こんな事がありました。

私は趣味で磯釣りをするのですが、あるとき大物がかかりました。
海の中を深みへ、右へ、左へとすごい力で引いていきます。
大物は取り込むときに玉網ですくわなければなりません。
玉網の位置を確認するため一瞬目を離したところ、それまで下へ下へと引いていたのが急に上に引っ張られた気がしました。
視線を戻すと針をくわえて飛んでいるのは海鳥(種類は分かりません)ではありませんか。

さっきまでの魚は?かかっていた魚を鳥が食べた?それとも最初から鳥だった?海面から5~6mは下にあるはずの小さなエサ(オキアミというエビみたいなエサ)を鳥が食べたりすることがあるのか?
周りを見ても下へ竿を引っ張られている人はいても、空へ?上へ引っ張られているのは私だけです。
しかも鳥は声を出して大騒ぎです。私もパニック、その上ちょっと恥ずかしい。

何とか鳥を足元の岩まで引き寄せました。
近くに来ると思ったよりでかい。しかもこちらをにらんで威嚇しています。
こっ、怖い。
わざとじゃないぞ。こっちだって迷惑だ。

糸を切ってしまえば楽になれるぞ。肩の辺で悪魔がささやきます。
しかし針がついたままでは鳥がかわいそう。天使もささやきます。
自分は獣医じゃないか。最後は自分のプライド?がささやきました。

私は意を決して鳥の頭をつかみました。
んっ?つかんでしまえば学生時代につつかれたニワトリよりおとなしいぞ?
無事ペンチでクチバシにかかったハリを外し、出血もなく、鳥は元気に飛んでいきました。
いや、しかし、怖かった。もう二度と鳥は釣りたくありません。
▲ページトップへ

Vol.9 子供の歌? 平成17年4月19日
今回はまったく獣医とは関係ないお話ですがお付き合いください。

私は昔から結構音楽を聴くほうだったように思います。
子供のころから洋楽、邦楽ともによく聴いていて、いろんな曲をFM からカセットテープに録音して持ってました。(カセットテープなんて時代の古さを感じられると思いますが、当時はエアチェックなんて呼んで気取っていた。)
若いころは洋楽のほうが偉いと思っていて、特に80年代は洋楽漬けでした。
また、90年代の中頃からだったか?日本のアーティストもすごくなってきたなと感じた頃があります。
歌ばかりでなくダンスもバリバリで本当に我々と同じ日本人か?と思ったりしました。

しばらく忙しさもあってあまり音楽自体を聴いていなかったのですが、あまりヒップホップなどを聞いていない自分にふと気づきました。
昔うちの親がロックを好いていなかったように、新しいジャンルにとっつきにくくなっているのはオヤジ化の証しか?
というわけで邦楽のヒットチャートを片っ端からディスクに収め、J-POP と呼び、車の中で聴く毎日の始まりです。

好き嫌いはイカンと思い、ジャニーズの若いのだろうがモー娘だろうがなんでも聴きます。
聴いてみればラップの中にも気に入る曲が出てきます。
気に入った曲を集め、ベスト盤と称し、さあ家族の者どもへ紹介です。

曲をかけた瞬間に5才になる娘が言いました。
「あっ、ガンダムの歌だ。」・・・はい?なんですと?
次々と曲をかけます。そのたびに「鋼の錬金術師」とか「ブリーチ」(すべてアニメ)とかの歌だと言います。
L'Arc-en-Ciel とかORANGE RANGE とかRie fu とかASIAN KUNG-FU GENERATION とかですよ?

「これでどうだ?最近のパパの一押し、SOUL'd OUT。かっこいいだろ?」
「これか。焼きたてジャパンの歌だよ。店長がこの歌で踊るんだよねー、ママ」

撃沈・・・J-POP のベスト盤はアニメソングのベスト盤でした。
けっこうな音量で近所を走り回っていた私の立場は?
どーなっとるんじゃい、最近の邦楽ヒットチャートは!!
(ちなみにアニメを馬鹿にしているわけではありません・・・ごめんなさい)

後日、娘が言いました。
「パパの車には子供の歌がいっぱいつんであるんだよねー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 
  
う~ん、アニメの主題歌の質がすばらしく良くなったということでしょう。
▲ページトップへ

Vol.10 無駄にでかい? 平成17年7月2日
皆さんは車の中に猫ちゃんがもぐり込んでしまった経験はありますか?

車の中といってもそのほとんどはボンネットの中のエンジンルームを指します。
エンジンルームは下から見るとたくさんの隙間があり、猫にとってはもぐり込むのにさして苦労はない様に思われます。
また冬の寒い日などに、エンジンの余熱で暖かいエンジンルームにもぐり込んでしまうなどと聞いたこともあります。
先日こんなことがありました。

雨がしとしと降っている夜のことでした。
夜の11時前だったと思いますが、仕事が終わり、家に帰るため車に乗りました。
数分で自宅に着き、車のドアを開けると猫の鳴き声がします。

近くに猫がいるのかな?
駐車場から家へと歩いていく道すがら、ずっと車のほうから猫の鳴き声がしてくる気がします。
ま、まさかボンネットの中か?
自分の血の気がさーっとひいていくのが分かりました。

エンジンルームにもぐり込んでしまった猫が救急で担ぎ込まれた経験が私にも何度かあります。
それはエンジンのベルト類やファンに巻き込まれ、とても悲惨なものでした。

急いで、同時に恐る恐るボンネットを開けてみました。
「ニャー・・・」
何事もなかったように、生後2ヶ月足らずの子猫がこっちを見ています。
そっとつまみ上げました。どこもケガは無いようです。

どう考えても車が走行している間中エンジンルームの中にいたとしか思えません。
ずいぶん揺れただろうに・・・。しかも中はかなり熱かったと思います。

まさに奇跡!!

余分にスペースがあったエンジンルームのおかげであったと思います。
無駄にでかいと家内が嫌う四駆が私はまた好きになりました。
▲ページトップへ

Vol.11 何が見えてんの? 平成17年8月7日
暑い日が続きますね。私などとっくに夏ばて気味で栄養ドリンクのお世話になりっぱなしです。

夏といえば怪談。私も怖い映画やテレビ番組は好きでよく見ます。皆さんはいかがでしょうか?
うちの家内などはこれ系の物が基本的に嫌いで、「何でわざわざ怖い思いをしたがるのか?」とあきれ気味です。絶対一緒に見てくれません。

私が考えるに、家内は想像力が旺盛で、タイトルだけで十分に怖い思いが出来るからだと思っています。
その証拠に「火垂るの墓」のタイトルを見るだけで泣いている・・・。

学生時代、大学の獣医学科にも御多分に洩れず怪談が存在していました。
例えば、獣医学科の学舎には夜になると、首の無い犬が走り回る・・・とか、白衣を着たヤギが歩き回る・・・とか、実にウソっぽいのが。

私は霊感が無いらしくそれっぽい体験はしたことが無いのですが、獣医の立場で不思議に思うことがあります。

それは、「きまってお盆の時期になると夜中(丑三つ時?)にワンちゃんが吠える」という症例(?)を経験していることです。
しかも過去に3件も。

そのうち1件は3年くらい毎年相談を受けました。
決まって1~2週間の期間だけの事であって、それ以外は吠えることもありません。
「お盆の時期は夏休みで、ご近所もいつもと違って騒がしいし、ストレスも多いのでは・・・?」
などとお話しするのですが・・・、そんな時期は他にも年末年始とか、ゴールデンウィークとか・・・ネ?あるよネ?

もうひとつ相談を受けた事例があります。

「そのマンションに引っ越してきてから、夜中の2時になると玄関ドアに向かって吠える。外を見てみても誰もいない・・・。」ということ。

「誰かその時間に帰宅か出勤する人がいるんじゃないの?」
「何回か確かめたけどいないと思う」
その若い飼主さんと「あははははは・・・」と一緒に笑って終わりました。

そういえばうちの犬も、この前「どこに向かって吠えてんの?」てことが。壁の天井よりのほうに向かって・・・。
お宅のワンちゃんはいかがですか?
▲ページトップへ

Vol.12 熱中症 平成17年8月13日
毎日気温が30度を余裕で超える暑い日が続いています。先日など車の外気温度計が40度と表示していました。
まさに殺人的温度!
皆さん体調を崩すことなくお過ごしでしょうか?

こう毎日暑いと、人、動物ともに熱中症の危険性がぐっと高くなります。
最近よくテレビなどで報道されていますが、家の中でも人が熱中症になるケースが増えているとの事です。
原因は家の中でも30度を越える気温と、さらに湿度が高くなることが主なようです。

人は暑いと汗をかき、その汗が乾く(蒸発する)時の気化熱により体表面を冷やし体温を調節しています。
ところが湿度が高くなると、せっかくかいた汗が蒸発しなくなり、体温調節が出来なくなるというわけです。
対策はやはりエアコンで気温と湿度を下げるしかないようです。(簡単に書きますので、水分や塩分の補給など細かいことは割愛させていただきます。)

さて犬の場合はどうでしょう?

まず、犬は夏でも立派な毛皮のコートを着ている様なもので、人よりも確実に体感温度は高いでしょう。
さらに犬は足の裏などをのぞき、汗をかきません。体温の調節は主に呼吸に頼っています。
つまり汗が蒸発しなくなった人と同じ条件に常にあるといえます。

以前悲しい症例を経験しました。
夜なので暑くはならないだろうとワンちゃんを車に残し、しばらく離れたそうです。
車に戻ったところワンちゃんはぐったりしていました。すぐに当院に駆け込まれましたが、残念ながらすでに亡くなっていました。
エンジンの余熱が原因でしょう。それほど車内は暑く感じなかったそうですが・・・。
私でも大丈夫かと油断してしまうようなケースでした。

犬は人よりもさらに暑さに弱いということを認識してもらい、家などにお留守番させるときなどは、必ずクーラーを効かせるようにしてあげてください。
汗をかきませんから扇風機などはあまり効果がありませんので気を付けてください。
▲ページトップへ

Vol.13 エキノコックス症 平成17年9月19日
みなさんはエキノコックスという寄生虫をご存知でしょうか?

エキノコックスは単包条虫、多包条虫など4種類に分類され、いずれの種類も人獣共通感染症を引き起こします。
この中で最近話題となっているのは主に多包条虫であり、エキノコックス=多包条虫と考えてもよいでしょう。

以前はこの寄生虫が存在できる(専門的には生活環が維持されるという)のは北海道だけというのが通説でした。
しかし先日埼玉県でエキノコックスに感染した犬が確認されたので新聞等で大騒ぎです。

エキノコックスは人に感染するとほとんどが肝臓に寄生し、数年から十数年は無症状で経過します。
しかしその間に寄生されたことによる肝臓の病変は次第に大きくなり、周囲の肝細胞を圧迫、肝機能障害を引き起こします。
ともすると肝臓癌と間違ってしまうような症状だそうです。
駆虫薬も存在していますが著効を示すことは少なく、外科手術による摘出がもっとも有効とされています。
しかし自覚症状が現れたときには、多包条虫が大きく増殖、転移していることが多く治癒率は低いといわれています。

主に終宿主として人への感染源となる虫卵を糞便中に排泄するのはキタキツネと犬とされていました。
エキノコックスに感染したネズミを食べることによって犬は感染します。
しかし当の犬は寄生されてもほとんどが無症状で、まれに下痢をする程度です。

エキノコックス症の診断は糞便検査による虫卵の発見、糞便の抗原検査などですが、抗原検査は検査を出来る機関が少なく難しいようです。
また虫卵の発見も実際は困難でよっぽどの専門家で無い限り無理との話も聞いたことがあります。
(ずっと関東で臨床に携わっていたので実際に見たことがありません)

ただ明るい情報もあります。犬に寄生したエキノコックスを駆虫することは難しくありません。
ドロンタールという一般的な線虫類の駆虫薬で可能です。
この薬を定期的に投与することがもっとも確実な予防のようです。

特にワンちゃんを北海道に連れて行ったことがある方はおすすめです。
めったにワンちゃんがネズミを食べることなど無いとは思いますが、一回でも自由になったワンちゃんから目を離したことがあれば・・・。
▲ページトップへ

Vol.14 女性獣医師の悩み 平成17年10月23日
なかなか時間がとれず、更新がおろそかになってしまっており、申し訳ありません。
スタッフのコラムのほうも中途半端になっています。
時々みんなに原稿の催促をしているのですが、そのような時間がなかなか出来ないのも見ていて分かるものですから、無理もいえません。

スタッフ紹介で分かるとおり、当院の先生たちはみんな女性です。
最近は獣医師という職業が女性にも人気であり、大学の獣医学科も女子学生が半分以上を占めているような状態です。
私の学生時代よりすごく女性の割合が増えています。
これから獣医師を目指す女子生徒さんもたくさんいることと思います。

そうなると、女性が獣医師という職業に就いたことによる「悩み」や「嫌な事」がクローズアップされる時が来るでしょう。
詳しくはスタッフのコラムで書いてもらうとして、私の聞いた範囲で少々書いてみたいと思います。

まずはなんと言っても「生傷が絶えない」ということでしょうか。
出来るだけ気をつけていますがもちろん咬まれることはあります。
またワンちゃんに注射をするときにはしばしば「保定」が必要です。
要するにワンちゃんの体をぎゅっと抱いて動かないようにするわけですが、そのとき頸部に腕を回して頭部も動かなくします。

多くのワンちゃんは首に腕を回されそうになると、自分の手(前肢)で獣医師の腕を押さえて阻止しようとします。
(これをよく「差し手争い」などと表現していますが、相撲か柔道のような感じ?)
このとき爪でひっかかれる事により「みみず腫れ」が腕にできます。それもかなりの数で傷だらけといってもよいのではないでしょうか?
女性の腕にですよ?こんな話も聞きました。

ある日、電車で吊り輪につかまっていました。夏なので半袖です。
ふと気がつくと周りの視線が自分に集まっていることに気づきました。
なんともいえない表情で、腕を見て、次に顔を見て、また腕を見るそうです。
獣医師ですが女性です。気の毒です・・・。
 
参考画像 保定の様子

保定の様子

保定とはこんな感じで行います。
ワンちゃんの体格や性格によりこの他にも様々な保定法があります。
▲ページトップへ

Vol.15 女性獣医師の悩み2 平成17年11月6日
前回に引き続いて「みみず腫れ」の話です。
他人に見せられない「みみず腫れ」は腕に限った話ではありません。

人懐っこくて気のいいワンちゃんたちは可愛がってくれる女性スタッフが大好きです。
足元によってきて立ち上がり、「抱っこして、抱っこして」といった甘えた感じで、前足でカリカリします。

すごく可愛いんですけど、力持ちのワンちゃんになってくるとこの「カリカリ」が「ガリガリ」になってきます。
その結果、出来てしまうんですね、「みみず腫れ」が、足にも・・・。

当院では制服として上は白衣ですが、下はジーンズもしくは厚手のチノパンを採用しています。
上下ともにドクターウェアーの方がスマートであり、動物病院経営のセミナー等でもジーンズはいただけないとされています。
しかし休日にスカートもはけないのではちょっと悲しいですよね。

厚手の生地のジーンズなどなら「みみず腫れ」は出来にくいですし、万が一、足に咬みつかれるようなことがあっても、ダメージを最小限に出来るはずです。
これを超える素材の物として考えられるのは皮パンくらいでしょうか?
しかしさすがに白衣に皮パンというのは・・・。
▲ページトップへ

Vol.16 院長の奥さん 平成17年11月7日
私の家内は獣医師ではありません。
開院当初はAHT(動物看護士)としていつも病院にいましたが、スタッフが増えてからは病院の事務や裏方の仕事が多くなり顔を知る人が少なくなりました。

最近よく聞くのですが、どうやら獣医師の先生を奥さんだと思っている方が割といらっしゃるみたいで誤解が生じています。
手術のない昼休みに家内と歩いていたり、食事をしていたりすると、「浮気をしている」と獣医師の先生に報告してくださる方がいます。(割と多数)
さらに尾ひれがついて、「若い女(?)だった」とか「美人(?)だった」とか広がりを見せているようです。

家内とは毎日病院で一緒に仕事をしていることが大半で、昼食も一緒にとっており、一緒に出かけていくのをスタッフは知っているので笑い話になっています。
ちなみに獣医師の先生たちも割と迷惑(?・・・そんなに迷惑ですか・・・)らしく、この先の恋愛の障害になる!・・・くらいの勢いです。

またまた6歳になる娘が言いました。
「じゃあさ、パパとママが結婚したときの写真を病院に飾ればいいじゃん。ぐっどあいであでしょ。」
「・・・」
そんな恥ずかしいまねが出来るかー。

これからは出来るだけ家内を受付に立たせますのでよろしくお願いします。

こんなことを書くのもどうかと思ったのですが、耳にすることがちょっと多いので、思い切ってここで真実を語らせていただきました。
▲ページトップへ

Vol.17 女性獣医師の増加 平成17年11月12日
\x{fffd}\x{fffd}14のコラムで女性獣医師の増加について少し触れましたが、製薬会社が定期的にくれる参考文献の中に、それに関連した興味深い記事を発見しました。

日本での獣医師を志す女性の増加は、若年層における職業としてのイメージがよくなったと言うか、確立したと言うか、知られるようになったのが原因だと私は思っていました。

私が高校生の頃は、女性の職業の選択肢の中に「獣医師」がどれくらい入っていたでしょうか?
周囲に獣医、畜産、動物関係の職業の方がいる人は別として、普通の人(?)はあまり考えたことも無かったのではないでしょうか?
または、なりにくいと言うか男性中心の職業イメージだったように思います。(あくまでも私見です)

ところが、皆さんご存知の「動物のお医者さん」というマンガ(チョビというシベリアンハスキーが大人気となった大ヒットマンガ。最近にはドラマ化などもされた)の登場により一変したように思います。

少女漫画として連載されていたこともあって、一気に女性の人気職業のひとつに数えられるようになりました。
以上が私が考えていたところの「女性獣医師増加の原因」でした。

しかし、「女性獣医師の増加」は日本だけではなく、アメリカにおいても著しいそうです。
1930年には全米の獣医学部卒業生のうち女性はわずか30人でした。
それが1987年には全米の獣医学部卒業生の48%、在学生の55%、新入学生に限っては57%が女性であったそうです。
また1999年の調査では獣医学部の志願者のうち、男性は僅か28%であり、男性は女性ほどに獣医師を志望しなくなってきているとのことです。

そして、「一般に男性は専門職として獣医業を選択しようという気にならなくなっているようであり,このため獣医業従事者の多様性が失われてきている。」と結んでありました。
女性獣医師が増えるのは患者さんにとってもいいことだと思いますが、男性が志望しなくなっているのは問題です。なぜだ?職業として魅力がなくなってきているのか?

いったいアメリカで何が起こっているのでしょうか?
「動物のお医者さん」がアメリカにまで進出して、大人気を博している・・・とは考えづらいし・・・。
とりあえず、「女性獣医師の増加」はグローバルな傾向のようです。
▲ページトップへ

Vol.18 古き良き時代の象徴? 平成17年11月19日
下に映っている写真はライギョをモチーフとした陶器で出来たオブジェ?置物?(なんと表現したらいいんだ?)です。
本来の使用用途は不明。全長約80cm(割と巨大です)。
とある「そうてつローゼン」の中のお店で見つけました。

私としては、待合室の一角に観葉植物で占められたエリアがあるので、その植物たちの足元にでもそっと置こうか・・・と考えていました。
病院に持ち帰ったところ、スタッフから大ブーイング。「気持ちわるーい」とのことです。
「何でこんなものを待合室に置くんですか?飼主さんたちも気味悪がりますよ?」
確かに家内も買うときはかる~く反対していました。

皆さんは「ライギョ」という魚をご存知でしょうか?漢字では「雷魚」です。
1923年(大正12年)頃、朝鮮半島から移入されたといわれる外来魚です。
ほぼ全国的に生息しており、私が子供の頃は池や川でかなり頻繁に見かけられました。

またブラックバスがほとんどいなかったので、ルアーフィッシングの対象魚として当時の少年たちを夢中にさせたものです。
私も近所の池で70~80cm もの大物をよく釣ったものでした。

しかしブラックバスが全国的に広がって生息し始めてからは、急速にその姿を消していきました。
今も相模川などにいることはいますが、まず見かけることのない幻の魚となってしまいました。

私にとってライギョは古き良き時代の象徴のようなものだと思います。(三丁目の夕日みたいなもの?)
私と同年代の男性の中には、賛同される方もけっこういるのでは?
その証拠に、このライギョの置物は3個仕入れたのが2個はすでに売れ、最後の1個とのことでした。

私の家内は「ライギョグッズは見つけ次第、そく狩るべし」と命じられ・・・嫌がっています。
このライギョの置物の行き着く先は?・・・床の間か?似合うかも。
 
ライギョの置物

ライギョの置物−全体

ライギョの置物−頭部分

▲ページトップへ